前回投稿した「遺言」。
5月23日が命日、その前のゴールデンウィークには医者からこう告げられていた。
「今の医学では、助けられません。持ち直したとしても、あと、数週間です。」
崖から突き落とされた気持ち、声を出して泣き続けた。
ゴールデンウィークだったので、主治医は休暇中、当番医の若い先生からの言葉だった。
主治医は、厳しい状況にあっても厳しいことは言わなかった。
治って、家に帰ることが目標だったのに、一気に落とされた感じだった。
でも、今考えると、この時の言葉で覚悟が決まった。だから、あえて遺言となった言葉を聞き出すことが出来た。
娘は、もう、覚悟が決まっていたのかもしれない。
そうだとしたら、何て強いのだろう。
闘病中も、泣き言一つ言わずに頑張った。
前の日に、ポツリと一言。
「部屋の片付けをしたかったな」
私自身も、ある程度の覚悟はできていたはずだった。
でも、本当にいなくなってしまうことは理解できていなかったかもしれない。
誰でも、寿命があって、いつか必ず死ぬ。
この当たり前のことに向き合うことは難しいと思う。
私は、闘病中の娘から多くの事を教えられた。