たい焼き
秋のお祭りのシーズンだ。
私は、甘党で和菓子、洋菓子が大好きだ。
娘は、お祭りに行くと必ずたい焼きを買ってきてくれた。
浅間神社で買ってくるたい焼きは、あんこがはみ出るくらい入っていて美味しい。
最期に娘と一緒にお祭りに行った子と話した。
行列に並んで買ってきてくれたようだ。
そう言えば、病気が分かってから、やりきれなかったのか、娘は言った。
「私の身体は、性能が悪い」
ショックを受けた私は、「丈夫な身体に産んであげなくてごめんね。」と言って泣いてしまった。
その後、娘は家を出てどこかに行った。しばらくして帰ってきたその手には、たい焼き。
「はい、これ」と言って、差し出してくれた。
自分が言ったことで、私を悲しませてしまったと思ったのだろうか?
クールな面もあったが、心優しい子だった。
心に残る出来事だった。
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