yukari616また、会える日まで

25歳で亡くなった娘と共に歩んだ道

たい焼き

秋のお祭りのシーズンだ。


私は、甘党で和菓子、洋菓子が大好きだ。


娘は、お祭りに行くと必ずたい焼きを買ってきてくれた。


浅間神社で買ってくるたい焼きは、あんこがはみ出るくらい入っていて美味しい。


最期に娘と一緒にお祭りに行った子と話した。


行列に並んで買ってきてくれたようだ。


そう言えば、病気が分かってから、やりきれなかったのか、娘は言った。


「私の身体は、性能が悪い」


ショックを受けた私は、「丈夫な身体に産んであげなくてごめんね。」と言って泣いてしまった。


その後、娘は家を出てどこかに行った。しばらくして帰ってきたその手には、たい焼き。


「はい、これ」と言って、差し出してくれた。


自分が言ったことで、私を悲しませてしまったと思ったのだろうか?


クールな面もあったが、心優しい子だった。


心に残る出来事だった。