yukari616また、会える日まで

25歳で亡くなった娘と共に歩んだ道

稽古場

小さいながらもバレエスタジオを切り盛りしている。


後を任せる人がいたから、何とか老体に鞭打ってきた。


2か所の内、1か所は中学生以上の生徒の教えは娘に任せていた。


しかし、今は私がやらざるを得ない。そんなことを言うとやりたくないように聞こえるがそうでもない。疲れている時は別だが、私は教えることは好きだ。


10月からクラス編成が変わり、中学生以上の生徒を教えた。


でも、そのスタジオは娘が主にやっていた場所。娘の気配を感じた。


急に、娘がスタジオに入って来たような気がした。


私は、胸が苦しくなり泣きそうになった。


どんなに願っても叶わない今世での娘との再会。


でも、どこかで、また会えるかもしれない、と、思っているんだと思う。


小柄だが、均整の取れた引き締まった身体、茶色に染めた髪、その髪を丁寧にまとめ、厳しさの中に優しさのある教え方。


懐かしさと共に、絶望感に苛まれる。


大切な人を亡くした者の宿命だろうか?


今日も普通にレッスンがある。


淡々と、一日一日が過ぎ去る。色んな思いと共に…。