七回忌
5月23日が命日だが、義母の三回忌と一緒に少し早めの七回忌の法要を行った。
前日、お供え用の好物だった物を買いに行った。
三回忌の時は、全ての買い物を終えて車で大泣きした。
まだまだ、受け止めきれずにいたのだろう。
あれから四年の月日が経った。
自分も年老いたのだろう。三回忌の時のような鮮明な記憶は無くなった。
好きなお菓子もすべて記憶されていなかった。
主人にm&msのチョコレートは?と聞かれ、あっ、忘れた…
何か情けない気持ちと、人間に備わっている忘却の有り難さを思った。
遺影のほほ笑んだ娘に謝った。「ごめん、貴女の事は一日たりとも忘れることはない。
でも、チョコレート忘れてしまった。」
きっと、こう返してくれるだろう。「いいよ。お母さんも忙しいし年だから、あと少し自分を労わって過ごしてね。でも、ぼけないでよ。会えたときに、どちらさん?なんて言われたらショックだから。」
そうだね。会える日まで頑張る。
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