毎日が、何事もなく過ぎていくこと。
娘を亡くして、これほど有り難いことはない、と思っている。
幸せとは、そういうことなのだと思う。
地位や名誉や財産、そんなもののために人は競争し、人より一つでも抜きん出たいと
思っている。
私も、娘を亡くす前はそう思っていた。
世界で一番大切な宝を亡くし、そんなことはどうでもいいと思うようになった。
普通に生活できることこそが、尊いのだ。生きていることが尊いのだ。
私の人生観は、大きく変わった。
今日も、普通の日常が流れていく。
仕事をして、家事をして、犬の世話をして、そうして一日が過ぎていく。
大多数の人々は、そうして人生の終焉を迎えるのだろう。
順番が逆だよ。
同じ一日でも、娘のいない毎日は、空虚過ぎる。
寂しいよ。会いたいよ。