yukari616また、会える日まで

25歳で亡くなった娘と共に歩んだ道

説得力

小さいながらも、バレエ教室を立ち上げて30年近くになる。


好きなことを仕事にし、家族の協力もあり、3人の子宝にも恵まれ女性としての幸せもつかみ、幸せな人生だったと思う。


娘を後継者として育て、あと少し頑張って働いたら、夫や友人と旅行を楽しみたいと思っていた。


娘が突然の病に倒れ、亡くなるまでは…。


私は生徒たちに色んな事を熱く語って来た。


「夢を持とう」「努力は裏切らない」「自分を信じよう」等々


夢を持っても叶わない事はある、努力をしても裏目に出ることもある、自分ていったい何者か分からなくなる…


人は幸せな時は、前向きになれるし、人にも自分の価値観を強要しようとする。


今の私には、偉そうに人を説得するなんて、出来ない。


だから、応援して温かく見守ろうと思う。

時は流れる

時は流れる。


どんなに悲しんでも、どんなに落ち込んでも…


娘と会えなくなって、3年4ヶ月。


身を引き裂かれるような激しい痛みはなくなった。


もう会えない事を、認め始めているのだろう。


でも、何か、不思議な感覚だ。大きく空いた心の穴に吹く風は、冷たい…


時の流れは、感情を奪っていく。どうでもいいことが増えた。


無理をすることもないだろうと思う。


生きようとする、人間の活力みたいなものがない。


他の人には、普通に生活しているように見えるだろうから人には気付かれていないと思う。


もっと、娘との思い出に浸り、留まっていたいのに、時の流れがそれを許してくれない。


時の流れは、有り難くもあり、残酷でもある。

アルバム

昨日、次男が子供の頃の写真を捜しに来た。


結婚式に使うらしい…


3人の子供たちの写真の数々。


娘の幼い時の写真を見る。


元気な子供だった…この子が25年で生涯を終えてしまうなんて…


光り輝く素晴らしい時間をありがとう。


あの時、娘は確かに生きていたし、元気だった。


過ぎ去った時間は取り戻せないけど、あの幸せだった時間を思い出すことは出来る。


今ここにいない事を嘆くより、楽しかったかけがえのない時間を共に過ごせたことに感謝したら、もう少し穏やかに過ごせるのかな?


貴女のお蔭で、人が人を思う事、今ここにいることに感謝することを学んだよ。


確かなことや、当たり前のことなどない、ということも。


貴女のお蔭で、私の人生は幸せに満ちていたよ。


アルバムの中の貴女の笑顔をいつまでも忘れずに、チャージした幸せを抱きしめてあと少し、頑張って生きていくね。


大大大好きだよ。