yukari616また、会える日まで

25歳で亡くなった娘と共に歩んだ道

ピンヒール

下駄箱の中には、最後に履いていたスニーカーと、愛用していたゴールドのピンヒールがある。主のいなくなった靴たちだが、捨てられない。


娘は、小柄だったので、ヒールの高い靴をよく履いていた。


東京にいる頃は、痴漢に遭ったら、ピンヒールで思い切り踏むんだ、と、言っていたが
痴漢に遭ったことは一度もなかった。


どちらかと言うと、カッコイイ系の女子だったから、近づくなオーラを放っていたのだろう。


ピンヒールを履き、カツカツと音をたてて歩く様は、親が言うのも何だが、かっこよかった。
生徒たちも、下駄箱にピンヒールがあるときは、緊張したらしい。


自分をしっかり持ち、芯のしっかりした、男より男らしい女だった。


でも、女子力は高く、おしゃれが大好きだった。


そのギャップが、多くの人を引き付けたのだろう。


また、ピンヒールを履いて、ストレートのロングヘアーを風にたなびかせ、お気に入りのグッチのバッグを肩からさげて、さっそうと歩く姿を見たいな。