yukari616また、会える日まで

25歳で亡くなった娘と共に歩んだ道

化粧

娘は、化粧が好きだった。


めんどくさい。と言いながら、毎日綺麗にしていた。


亡くなる2週間くらい前の事だ。


私が、病室で薄化粧をしているときに、パッと目を覚まし、「ずるい。私もする。」
と言って、化粧を始めた。


意識が朦朧としていたので、何度も何度も眉ペンを落としていた。


ファンデーションを塗って、眉を書くだけしか出来なかったが、少し綺麗になった。


後になって、「私、どうして化粧してるの?」と言っていた。


そして、恥ずかしかったのか、笑っていた。


毎朝、化粧をするたびに、娘を思う。眉を書くのが上手だった娘にダメ出しされないよう
眉は、気合を入れて書く。


そして、思う。


どうして、私は生きてて、娘はいなくなっちゃったんだろう?


考えてもどうしようもないことを問う。鏡の自分に向かって。


元気にしていたら、あと、2万回は化粧出来たのにね。


それも、めんどくさいか。


生きてると、めんどくさいことばかりだよ。