yukari616また、会える日まで

25歳で亡くなった娘と共に歩んだ道

感動しないということ

大切な人を亡くした時、「心にポッカリ穴が空く」とか「半身を失う」という。


それは、どういうことなのか?


哀しくて会いたくて、それが叶わない事に嘆き、でも、日常生活は送り仕事もし、くじけそうになる自分を鼓舞して、生きることに一生懸命だった最初の2~3年。


5年という月日が流れ、今、思う事。


感情の大波は少しづつ穏やかになっている。


感情のコントロールも出来る。人前で取り乱したりはしない。


周りの人から見れば、立ち直ったように見えるだろう。


でも、ふとした時に思う。色んな事に以前のような感動がないことに気付く。


雪を被った富士山は雄大で美しいことに何の変りもない。


梅が咲き、桜が咲き、自然の営みの美しさも以前のままだ。


しかし、何かがいつも足りずに満たされることはない。


大切な人がいない。大きく空いた心の穴は埋まることはない。


大切な人を亡くした者にとって、この穴は修復することはない。


かけがえのない子供を亡くした私にとって、他に子供がいてもこの穴は埋まらない。


だから、満面の笑みを浮かべ、心が震えるような感動はないのだ。