yukari616また、会える日まで

25歳で亡くなった娘と共に歩んだ道

がん

がん、癌、ガン…。頭痛ではない。


娘を奪った憎い病気。人の命を奪う恐ろしい病気。


私は専門家ではないので、よくわからないが、誰にでもがん細胞はできているが、免疫細胞ががん細胞をやっつけているらしい。それが、何かの拍子に免疫細胞が負けてしまい、がん細胞がはびこるらしい。はびこったがん細胞は、暴走列車のように暴れてついには命を奪う。


たばこ、飲酒、塩分、ストレスなど、誘因になっているらしいが、がんになる人、ならない人がいる。だから、本当のところは分からないのだろう。


老化による細胞の変異は、まぁ、老化と片付ければ納得はいく。


でも、若い人のがんは、がんになる人とならない人の差は何なんだろう?


娘が亡くなったとき、医者は言った。「どうしてなるのかも、何が原因だったのかは分かりません。」と。


医学は進歩している。早期のがんなら治ることもある。いつか、がんは治る病になるのだろう。そんな時代に生きることができなかったのは悔しい。


がんの研究が進み、がんで死別した若い世代が、こんなに悲しい思いをしなくてもいい時代が来るといい。


私は、浮腫んだ娘の足をさすりながら、「がんをやっつける、魔法の粉をください。全身にまいてあげるから。」と、いつも呟いていた。


闘病中、私の願いはひとつだった。「私の命と引き換えに娘を助けてください。」


親というものはそういうものだ。


憎い、憎い、がん…。