涙
娘が亡くなって1年の間に、私は一生分の涙を流した。
涙は、枯れることなく、とめどもなく流れた。
その涙は、当たりどころのない悔し涙だったり、娘と会えない絶望の涙だったり、娘の気持ちを思う涙だったり…。
昨日、あるテレビ番組を夫と見ていた。お父さんを思う娘が、お父さんのために何かをする的な。親孝行だな。というのは、私の感想。ふと、夫の顔を見ると、涙を流していた。
夫は、普段は、気丈に振る舞い、仕事も頑張っている。
たった一人の目に入れても痛くない娘を失って、泣き叫ぶこともままならない中、働き続けてくれている夫。
夫の哀しみを、私は理解していたのだろうか?
夫の涙を見た瞬間、自問自答した。
唯一無二の、この哀しみを共有できる人がここにいる。
今年、還暦を迎える夫。あと、何年一緒にいられるかは分からないが、若い頃は衝突することも多かったが、今は、娘に「仲良くしてね」と言われているような気がする。
最愛の人を亡くし、人は絶望する。そこから、這い上がり生きていくことは本当に大変なことだ。亡くなった人は、何も言えない。でも、必ず迎えに来てくれる。そう信じて、今生きている人たちを大切に、その日が来るまで生き抜くことが大切なことなのだろう。
少しだけ、そんなことを思えた日だった。
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