yukari616また、会える日まで

25歳で亡くなった娘と共に歩んだ道

七回忌

5月23日が命日だが、義母の三回忌と一緒に少し早めの七回忌の法要を行った。


前日、お供え用の好物だった物を買いに行った。


三回忌の時は、全ての買い物を終えて車で大泣きした。


まだまだ、受け止めきれずにいたのだろう。


あれから四年の月日が経った。


自分も年老いたのだろう。三回忌の時のような鮮明な記憶は無くなった。


好きなお菓子もすべて記憶されていなかった。


主人にm&msのチョコレートは?と聞かれ、あっ、忘れた…


何か情けない気持ちと、人間に備わっている忘却の有り難さを思った。


遺影のほほ笑んだ娘に謝った。「ごめん、貴女の事は一日たりとも忘れることはない。
でも、チョコレート忘れてしまった。」


きっと、こう返してくれるだろう。「いいよ。お母さんも忙しいし年だから、あと少し自分を労わって過ごしてね。でも、ぼけないでよ。会えたときに、どちらさん?なんて言われたらショックだから。」


そうだね。会える日まで頑張る。

すぐ上の次兄が、仏壇にお線香をあげに来た。


大学生のとき、二人は一年同居していた。


仏壇にお線香をあげ、お供えをしていってくれた。


お菓子の好みは、私より次兄の方が詳しいことが分かった。


そう言えば、大好きだったなって思うお菓子を供えてくれた。


何だか、そんな優しさに嬉しくなった。


結婚して今は可愛い奥さんと暮らしている。


去年、待望の子供を授かったけど流産してしまった。


あの時は、悲しかったね。


最近、また授かったようで、本当に良かった。


無事に生まれてくるように、見守ってあげてね。


頼んだよ。

会いたい…

ここの所、穏やかな春らしい日が続いている。


毎朝、二匹の愛犬を連れて散歩に行く。


散歩コースには、梅の木、紫陽花、金木犀があって季節の移り変わりを感じる。


今朝は、紫陽花の新芽が出ていた。


また、贅沢なことに季節ごとに色んな顔を見せてくれる日本一の山、富士山も見える。


今朝は、雪を被り、空の青と雪の白がとても美しく癒された。


日常の何気ないことだが、嬉しくなる。


いつも隣にいて、他愛のない話をしていた娘との時間が突然思い出される。


こんな穏やかな日だからこそ、ここにいない事が寂しくて仕方ない。


会いたいな…