yukari616また、会える日まで

25歳で亡くなった娘と共に歩んだ道

旅行

仕事が休みになる5週目を利用して、宮古島へ行った。


病床で、娘と旅行の話をしたときに、「沖縄に行きたい」と言っていた。


何故か、沖縄の食べ物が好きだった娘。


ソーキそば、海ぶどう、黒糖など、つまみにミミガ―。


行くところ行くところに、綺麗な蝶が歓迎してくれた。


きっと、娘の魂を乗せてやってきてくれたのだろう。


天気も良く、海がきれいで最高の旅だった。


一緒に行けなかったのは残念だったけど、行けなくて残念と思っているのは私だけで、一緒にいたのかもしれない。


これからも、身体の続く限り、貴女と一緒に旅をしたいな。


今度は、どこがいい?


誰にでも訪れる死。その日が来るまで、貴女の分まで精一杯生きるよ。

富士山

富士山は、いつも雄大だ。


冬は特に綺麗だ。


何があっても、変わらず、何時もで~んと構えている。


ここのところ、少し雪が少ないように感じる。


やっぱり、雪化粧した富士山が好きだ。


富士山は、見る場所によって形を変える。


私は、やっぱり、地元から見る富士山が一番好きだ。


美しさと強さを兼ね備えている。


くじけそうな私を鼓舞してくれる。


色んな事に一喜一憂しないで、で~んと構え、過酷な運命も受け入れ、富士山の様に強く、美しくありたいものだ。


でも、今日の富士山は、雲に隠れて見えない。


富士山も、色んな日があるんだね。


無理せず、自然体で、泣きたいときは泣けばいいんだよ。って、言っているのかな?

命のバトン

病院に行くと、0歳から100歳近くの人々に出会う。


インフルエンザが流行っている。そのせいで、かかりつけの病院は混雑していた。


暇なので、色んな人を見ていた。


幼い子を抱え、あやしている若い人。年頃は娘くらいだろうか。


娘も生きていたら、こうして子供を産み、一生懸命に育てたのかな。


家庭を持つことを望んでいたのだから、多分そうしていたに違いない。


隣の席には、96歳になるおばあさんがいた。


風邪ではなく、肺炎の予防注射に来たそう。付き添いの娘さんが言っていた。


娘さんといっても、多分70歳くらいだろうとは思う。


親が子を育て、子は年老いた親を見る。そういう流れが普通なのだろう。


命のバトンは次世代へと受け継がれ、やがて、順番にこの世を去る。


子供を失った人々は、この流れを断ち切られてしまう。


だから苦しい。だから哀しい。この世の理不尽さに嘆き悲しむのだ。


娘へ受け継いだはずの命のバトンは、私の中で私が朽ちるまで持ち続けるのだろう。