yukari616また、会える日まで

25歳で亡くなった娘と共に歩んだ道

娘の言葉

時々、娘の部屋に入る。


ガランとした人気のない空間。虚しさがこみ上げる。


ふと、手に取った娘が書いた闘病記。


1回目の入院時のもので、まだ、書くことが出来ていた。


パラパラとめくる。


懐かしい癖のある字だ。


私は、信頼している人に娘の病状を明かした。それを娘に言ったときに書かれた物だ。


「母は、人を信用しすぎるところがあり、そこが欠点だ。自分の病気のことを話す人は自分で決めたい。病気が病気なだけに、興味本位で近づいてくる人もいる。あまり、広めないで欲しい。1番苦しいのは、自分だとも思いたくはないが…」


私も確かに苦しかったし、打ち明けた人も子供を病気で亡くしている。だから、話した。


でも、恥ずかしい。1番苦しかったのは娘だ。自分の心の弱さを痛感したし、反省した。


会って、あの時のことを謝りたい。


それすらも、もう、出来ない。


あちらの世界で再会したら、真っ先に言おう。


「あの時は、ごめんね。」