アゲハチョウ
生徒のお母さんから、花束をいただいた。
「娘の仏壇に供えてほしい。」
どうしたのか?
聞くところによると、彼女のお母さんがガンの手術をしたのだということ。
その前から、頻繁に彼女の元を黒いアゲハチョウが舞って来ていた。
手術当日は、10階の病室の窓越しに何度も何度も舞っていたそうだ。
きっと、娘の魂が蝶になり、励ましにやって来たに違いない。
そう、確信したのだそうだ。
思いは通じる…。きっと、彼女は今でも娘を思っていてくれるのだろう。
そんな思いを、娘がキャッチしたのだろうか?
もとろん、手術は成功した。
不思議な出来事はあるものだ。
娘は、多くの人の心に今でも生きている。
「人は二度死ぬ。一度目は肉体の死。二度目は人に忘れ去られたとき。」
そんな言葉を思い出した。
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