ヒョウ柄カーディガン
今週、仕事が休みになるので、実家の母がやってきた。
昨日は、母の姉もやってきて、三人で近くの高台に行った。
景色が最高で、梅の花もちらほら咲いていた。
四捨五入で、90歳の二人に気遣いながら少し散歩した。
身体も、衰え、二人ともたくさん薬を飲んでいるが、達者だ。
小春日和の風や空気を感じながら、娘を思う。
どこにいても、何をしていても忘れることはない。
母は、今日用事があるとのことで、家まで送っていった。車で片道40分。
今日もいいお天気。海沿いをドライブした。母も高齢だから、こんな一瞬も大切な時間だ。
実家に着き、ふと、部屋を見渡したその先に、娘が着ていたお気に入りのヒョウ柄のカーディガンが、ハンガーにかけてあった。
娘も母も、私より小柄なので、娘の服は母に譲った。母は、孫の服を時々着ているらしい。
カーディガンを見た瞬間、そこには、そのカーディガンを着て微笑む娘の姿を同時に見た気がした。
懐かしさと共に、愛しさや哀しみがドッと押し寄せて来た。
帰りは、一人。新しいレッスンCDをかけた。娘の好きだったミュージカルのナンバーが流れて来た。
涙で、前が見えずらくなってしまった。娘も一緒に聞いていただろうか?
助手席には、ヒョウ柄のカーディガンを着て茶髪のロングヘアをなびかせ、メイクを直している娘が座っているような気がした。
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